南北連絡事務所爆破とはどういうことよ?

北朝鮮が南北連絡事務所を爆破したというニュースが流れてきた。

南北連絡事務所というのは、2018年4月に行われた南北首脳会談で交わした板門店宣言に基づいて北朝鮮側の開城工業地域に9月に開設されたもので、北朝鮮における韓国の事実上の大使館という扱いのようだ。それが爆破されたというのはどういう意味なのだろうか?

 

元々は5月末に韓国で脱北者団体が北朝鮮批判のビラをくくりつけた風船を飛ばしたことが原因にある。

それを受けて北朝鮮側が南北軍事合意の破棄だったり、南北連絡事務所の爆破だったりを予告した。韓国の文在寅大統領は、対話による和解を呼び掛けたが、今回、北朝鮮によって南北連絡事務所が爆破された。

 

そもそも北朝鮮批判のビラをつけた風船を飛ばしただけでここまで発展するだろうか。

北朝鮮の目的はなんなのか?

 

背景にあるのは、北朝鮮内の経済の困窮だ。北朝鮮アメリカから長い間経済制裁を受けている。さらに対外貿易の95%を占める中国との貿易がコロナウイルスのためストップしている。そのため、経済が困窮している。そこで北朝鮮は南北関係を悪化させる。

南北関係の改善に尽力してきた文在寅大統領からすると、南北関係の悪化は避けたいので、北朝鮮に対して強行案は取りづらい。一方で、アメリからしてみると、「韓国はなにをしている、強硬策をとれ」となる。その結果、米韓で緊張感が高まり、それは北朝鮮が有利な環境で交渉を進められることにも繋がる。それが北朝鮮の目的で、今後も北朝鮮の挑発が続く可能性があるという。

韓国国内では北朝鮮に対して強硬論も多いらしく、文在寅大統領は難しい決断を迫られるだろう。