中国とアメリカの覇権争いはどうなる?

最近、アメリカと中国がばちばちしているのは周知の通りだ。ファーウェイを使うなとか主要人物が逮捕されたりとか。何をそんなに争っているのか。

 

そもそもの争いの発端は2018年10月のアメリカ副大統領ペンス氏の演説だ。彼が演説中に中国のやり方に不満を感じていること、そして中国に宣戦布告をしたのだ。中国のやり方とは何だろうか。

それは中国政府が主体となって自国企業をバックアップし、国内14億人の市場を独占し、外資企業が入れないように、自国の技術が漏れないように制限する一方で、自国企業には外国に進出させ、ノウハウや情報を国内に取り入れるというやり方だ。それにより急成長を続けてきた中国のことがアメリカは気にいらないのだ。

アメリカのトランプ大統領は自分をタリフマンだとし、中国に関税をかける措置をとった。中国のアメリカの態度が軟化すると予想とは裏腹に中国はアメリカに報復関税の措置をとる。そしてアメリカが関税をかけるというような貿易戦争が勃発している。

冒頭に触れたファーウェイの制限や主要人物(ファーウェイNo2)の逮捕もこの争いの延長線上にある。

ファーウェイの制限は、ファーウェイの機器にはスパイ行為するソフトウェアが仕込まれているから使うなということらしいが本当かどうかはわからない。もちろんファーウェイは否定している。

ファーウェイの主要人物の逮捕は、アメリカ制裁下にあるイランとドルで取引をし、その申告の際に嘘の申告をしたとしてアメリカと結びつきが強いカナダで捕まったというものだ。これもアメリカではなくカナダで逮捕される程のことではなかったという指摘もある。

 

なぜアメリカは中国に対しこれほどまで強烈な仕打ちをするのか。それは迫り来るテクノロジーの時代の覇権を維持するためだ。アメリカは世界の中心としてトップに君臨してきた。AI、5Gといったテクノロジーで大きな変化を迎えるこれからの時代においても覇権を握り続けるためにすさまじい勢いで成長を続ける中国を牽制しているのだ。

 

それに対し中国はアメリカをどう考えているのか。

中国は中国製造2025という宣言を発表した。これはテクノロジーイノベーションの国になりますという宣言である。テクノロジーイノベーションの国とは今までのアメリカのスタンスである。それを追い抜くと言ってるのである。さらに一帯一路という指針も発表した。これは中国とヨーロッパ間で間をぶち抜き経済圏をつくるというものだ。そこにアメリカはいない。このように中国は中国でアメリカとやる気満々なのだ。

 

アメリカと中国が真っ向から衝突しているという関係はわかった所で、これからの行く先について考えていく。

まずはアメリカのトランプ大統領。トランプの共産党中間選挙で上院では多数党を維持したが下院では民主党に席を取られ、ねじれ議会となっている。さらに彼には不倫などのスキャンダルがあり、とても盤石の体制とは言えない。

一方の中国の習近平主席。中国は共産党一強で独裁政権といっても過言ではない。共産党独裁政権とはどれほどのものか。中国では共産党員という制度がある。共産党員は14億の人口に対し8000万人程度いるとされている。共産党員とは逮捕されないという権利をもつほどのエリートとして扱われる。中国で出世するにはまず共産党員になるしかない。共産党員はピラミッド型に構成されており、共産党員になったらそのピラミッドを登っていくのだ。ピラミッドのトップにいるのがチャイナ7といわれる人達で実質彼らが政治を動かしている。そしてその7人の中のリーダーが習近平だ。チャイナ7は習近平の側近で構成されており、任期の延長も容易にできる体制が出来ている。5Gの時代になると完全な独裁政権が完成するとも言われる。

盤石の体制を築く習近平の中国に対し、足下がぐらつくトランプのアメリカの一騎打ちから目が離せない。